生活習慣病の原因と予防法
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骨粗しょう症―骨を作るカルシウム以外の成分

 昔は、お年寄りというと腰の曲がった人というイメージがありましたが、これは骨粗しょう症の一種です。骨粗しょう症は、骨に“す”が入ってスカスカになっているという意味で、骨量が減少し、骨がもろくなって変形したり骨折したりしやすくなる病気です。

 先進国では平均寿命が延びたため、老人にこの病気が増えてきました。お年寄りがこの病気になって骨折すると、寝たきりになりやすく、認知症(痴呆症)を招いたり、余病を併発して寿命を縮めたりすることもあります。

 骨粗しょう症は女性がなりやすく、60代女性の約4割がかかっているといわれます。多くの場合、女性ホルモンの分泌が低下する閉経後に急速に骨の量が減少していきます。女性ホルモンにはカルシウムの吸収を助ける働きがあるためです。
 特に、若い頃あまり運動をしなかった人や、閉経が早い人、やせた人、乳製品の摂取が少ない人などが骨粗しょう症になりやすい傾向が見られます。また病気をして長い間寝たきりになると、骨量が減ります。

骨粗しょう症の予防と対策

カルシウムなどの必要な栄養素をしっかりとる

 骨粗しょう症の予防として、まず食事面では、乳製品や小魚、大豆製品、海藻などに多く含まれるカルシウムをしっかり取ることが大切です。また骨の生成に必要なたんぱく質、マグネシウム、ビタミンD、コラーゲン、ビタミンCなども十分にとります。
  下記「丈夫な骨を作る栄養プロジェクト・チーム」を参照

適度な運動をする

 宇宙飛行士が長時間無重力状態の中にいると、筋力と骨が弱ってしまうことは有名な話です。骨は使わなければどんどんもろくなって、骨折しやすくなるのです。

 骨を丈夫にするためにはカルシウムを始めとする必要な栄養素を十分にとることも大切ですが、それ以上に適度な運動が必要不可欠です。運動をすることによって骨が刺激を受け、毛細血管を発達させて丈夫になるなるのです。

 交通機関が発達し、エレベーターやエスカレータを利用することに慣れた私たちは、歩くことが少なくなりました。また家事労働でも、洗濯機や食器洗い機、掃除機などの電化製品があふれる現代では、日常生活で体(骨)に負担をかけることが少なくなりました。カルシウムの摂取量自体は昭和20〜30年代よりも現代のほうが多くなっているのに、昔に比べて現代人のほうが骨が弱くなったといわれます。骨の丈夫さはカルシウムをたくさんとることよりも、運動をたくさんするほうが大きな要因だということを肝に銘じるべきでしょう。

 日常生活で肉体的な負荷の少ない方は、スポーツやウォーキング、ストレッチ体操などの適度な運動が必要です。特にウォーキングは、骨を丈夫にするだけでなく、血圧、血糖値、肥満などの改善にもプラスになります。

丈夫な骨を作る栄養プロジェクト・チーム


 丈夫な骨を作るといえば、オウム返しに「カルシウム、カルシウム…」の大合唱となります。そこでカルシウムの吸収率がよく問題にされます。もちろん、牛乳からとると吸収率がよいとか、ビタミンDや日光浴が吸収を助けるとかいうことは常識として知っておくべきですが、骨作りにはカルシウムやビタミンDだけが働いているわけではありません。

 実は骨を作るために、私たちの体内では次のように多くの栄養素がプロジェクトを組んで仕事をしているのです。

・カルシウム……骨の原料。リンと結びついて骨を硬くする結晶を形成します。
・ビタミンD……カルシウムの吸収を助けます。
・リン……骨の原料。カルシウムとリンの摂取は1:1が理想で、リンのとり過ぎには注意が必要です。
・マグネシウム……骨の密度に関係。骨中のカルシウムの出し入れに影響を与えています。
・ボロン……カルシウムが骨に入るのを助けます。
・コラーゲン……骨の骨組みを作ります。
・たんぱく質……コラーゲンの原料となります。
・ビタミンC……コラーゲンの合成に必要です。
・シリコン……骨の中のコラーゲンを強化する役割をもちます。
・ムコ多糖類……骨の原料の一種です。
・マンガン……ムコ多糖類の合成に働きます。

物事を多角的に捉える習慣を!

 このように骨の形成一つとっても、少なくとも11種類の栄養素がチームプレーで関与しています。「骨=カルシウム」と一面的に決め付けるのではなく、多角的に物事を捉えるように心がけましょう。
 それとともに、「適度な運動が丈夫な骨を作る」といった、栄養学とは別の立場からの見方も取り入れ、常に脳を柔軟にしておくことが心身の健康にとって大切です。

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