生活習慣病の原因と予防法
乱れた食生活生活習慣病と原因五大栄養素と機能性成分食生活の見直し運動と禁煙の効果ストレスが起す病気体に良い食べ物

孤食、不規則な食事の問題

 孤食というのは文字通り一人で食べるという意味ですが、主に小・中学生が一人で朝食をとることを問題視して使われる言葉で、個食とも書きます。

孤食(個食)の背景

増え続ける子供の孤食

 食事は空腹を満たし、生きる上で必要な栄養素を摂取するだけが目的ではありません。人類は大昔から家族単位で暮らし、いっしょに食事を楽しんできました。家族のコミュニケーションを深め、運命共同体的な絆を築くために食の役割は大きかったはずです。

 しかし社会の変化とともに、家族がいっしょにそろって食事をするという当たり前の習慣が壊れつつあります。厚生省(現厚生労働省)の統計によれば、昭和57年にはすでに22.7%の子供が朝食を一人で食べています。そしてその割合は、10年後の平成5年になると31.4%にまで上昇しています。ちなみにこのときの「両親といっしょに食べる子供」の割合は27.4%で、何と孤食のほうが多いのです。その後の統計はありませんが、今はさらに孤食が増えていることが予想されます。

 平成10年頃に放映されたNHKのある番組で、全国の子供達に食事の風景を描かせたところ、その3分の1が一人で食べている絵でした。しかもその食事風景は「テレビやゲーム、マンガなどを見ながら」というもので、子供にとっての「食の軽さ」を反映するものでした。
 孤食が当たり前として育った子供たちはどんなおとなになるのでしょうか?

家族形態の変化

 こうした孤食の拡大は家族形態の変化と無関係ではありません。3世帯家族が普通だった昔は、子供の孤食などは考えられませんでした。その後、徐々に核家族化が進みましたが、それでもまだ兄弟姉妹が2〜3人いる家が多かったのです。

 核家族の一人っ子家庭が増え、さらに女性の雇用が増大して母親が仕事に出るようになりますと、孤食は急激に増えます。やむを得ず子供をひとりで食べさせている家でも、家族いっしょに食べる喜びをできるだけ多く作ってあげたいものです。

 最近、核家族化からもう一歩進んで、単身世帯の増加という現象が起きています。昭和45年には全世帯の2割に過ぎなかった単身世帯は、平成12年には3分の1の世帯が単身になっています。20代の単身世帯が多いのは当然ですが、晩婚化の影響で30代の単身世帯も増加しています。さらに高齢者の単身世帯も多くなり、当然ながら一人で食事をしているわけです。

 子供だけでなく「おとなの孤食」も心の面では見過ごせない問題です。またおとなの孤食は外食やインスタント食品が多くなりやすく、栄養面でも心配です。

不規則な食事を続けると…

夜更かし族

 日本人の食事はもともと一日二食だったといいます。現在のように三食になったのは江戸時代からという記録が残っています。ヨーロッパでも中世の終わりまでは一日二食でした。電気のない時代には夜明けとともに一日の活動が始まり、正午近くに朝食をとる。そして日没前に夕食をとって早寝をするという、太陽の動きに合わせた規則正しい生活が自然だったのかもしれません。

 テレビという娯楽が生まれると、夜が長くなります。当初は夜8時ごろまでが「ゴールデンアワー」でしたが、今では11時頃まで子供が見てもおかしくない番組が放映されています。さらにゲーム機の普及により、時間に縛られない娯楽が増えました。そのうえ外に出れば深夜営業の飲食店や、24時間営業のコンビニがあります。こうした生活環境の中で私たちは、年齢を問わず、一億総夜更かし族になってしまったのです。

夜食の弊害

 その結果、多くの人に夜食を食べる習慣がつくことになりました。まずは夜食の弊害について考えてみましょう。

 第一は肥満になりやすいことです。食事が一回増えるわけですから、エネルギー過多になるのは当然ですね。

 人間の体は、昼間は交感神経の活動により循環器や呼吸器の働きが高まり、夜は副交感神経が活発になって消化器系の機能が高まる、という具合にできています。つまり夜、食べた栄養素は朝や昼食べた栄養素よりも吸収率が高くなります。動物が生きていくうえで理にかなった体の仕組みといえるでしょう。この面からも夜食は太りやすいのです。

 また、食べてすぐ寝るのは睡眠が浅くなりますし、胃にも負担がかかります。夜食は空腹を満たすことが目的ですから、インスタント食品が多くなり、栄養バランスも悪くなりがちです。さらに翌朝、食欲がなくなったりもします。

 私たちは皆、体内時計を持っていますが、夜食はこれを狂わす原因にもなります。というのは、体内時計は朝の光を浴びて大脳が毎日正しく修正をかけているのですが、そのほかに胃袋にも体内時計があるからです。

 夜食をとると、それまで寝る前だと認識していた胃が「まだ活動時間だ」という誤った信号を全身に送ってしまいます。体内時計の指示に従って、交感神経や副交感神経がさまざまな臓器の活動をコントロールしていますから、体内時計が狂うと体は混乱状態になり、体調がおかしくなるわけです。

 体内時計に関して付け加えておきますと、深夜はあまり興奮しないことです。夜更かし、夜食、朝寝坊の3点セットは頭の働きを阻害し、活動を鈍くしますから改善しましょう。

 不規則な食事というと、朝食抜きの弊害がことあるごとに叫ばれていますが、むしろ夜更かしをする生活を改め、夜食の習慣をやめることのほうが先決ではないでしょうか。

  TOP   HOME