生活習慣病の原因と予防法
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生活習慣病予防―運動の効果

栄養と運動は健康という車の両輪

 栄養学の知識を身につけ、また最近のさまざまな「体によい食品中の成分」を知ると、とかく健康対策が食生活に偏りがちになります。

 しかし、生活習慣病は食生活のみによって引き起こされるものではありません。むしろ、運動不足や喫煙、肉体的・精神的ストレスなどが重なったほうが怖いくらいです。

 その中でも運動不足は、過食との相乗効果によって肥満を招きやすく、高血圧、高脂血症、動脈硬化、糖尿病、高尿酸血症などさまざまな病気を誘発します。運動不足は、単に筋力的な意味で「体力が衰えてきた」というようなレベルでは治まらないのです。まさに、栄養と運動は「健康という車の両輪」といえるでしょう。

 現代人は昔の人たちにくらべて、日常生活の中で体に負荷をかける作業が少なくなりました。家電製品の普及や仕事の現場での機械化、交通網の発達と車社会への移行。そうした文明の進歩は、著しい便利さをもたらした半面、国民的な運動不足をもたらしました。現代人はわざわざ運動する機会を作らない限り、たちまち運動不足になってしまう状況に置かれているのです。まずは運動の大切さをしっかり認識することからスタートしましょう。

運動による内臓・神経系への効果

 慢性的な運動不足になると、全身の筋肉が衰えてきます。日常生活での洗濯、掃除、炊事、食器洗い、買い物、ふとんの上げ下ろし、窓拭きなどの運動でも、するとしないとでは大違いです。そのことは1週間ほど寝たきりの生活をしてみると実感できます。使わない筋肉はどんどん衰えてゆき、疲れやすくなるばかりでなく、やがて骨にまで影響が出てきます。

 運動不足の人は瞬発力や持久力が弱まるばかりでなく、敏しょう性も衰えますから、転倒しやすくなります。その際、骨が弱くなっていると骨折の危険も高まります。

 このように、運動の効果は第一義的には、まず筋肉を強化し、運動能力を高めることですが、そのほか内臓や神経系においても大きな効果があります。適切な運動を続けると、次のような効果が得られることがわかっています。

●肥満の改善

 運動によって血液中の脂肪を燃焼させるばかりでなく、新陳代謝も促進され、エネルギーを消費させることができます。一方、運動を伴わないダイエットは危険でもあり、また効果がないと知るべきです。また、運動の結果、体重はさほど落ちなくても、筋肉がつけば体脂肪率が減りますから、生活習慣病へのリスクを減らすことができます。

●骨粗しょう症の予防

 カルシウム不足になると骨のカルシウムが溶け出しますが、運動不足によっても骨は弱体化します。運動によって骨に適度な負荷がかかると、骨密度が保たれます。また、屋外に出て日光に当たることによって、ビタミンDが産生され、カルシウムが吸収されやすくなります。骨粗しょう症の予防には適度な運動が欠かせません。

●最大酸素摂取量の増加

 運動は心肺機能を高めます。具体的には最大酸素摂取量の増加をもたらし、循環機能の向上につながります。

●高血圧の改善

 血圧といえば「食塩」とおうむ返しに答えが返ってきそうですが、原因は塩分だけではありません。肉体的、精神的なストレスも血圧を上げますから、ウォーキングなどの軽い運動で、心身の緊張をほぐすことが高血圧の改善につながります。

●中性脂肪の減少

 運動することによって、血液中の中性脂肪(トリセリグリドまたはトリセリグライド)を減らすことができます。

●HDLコレステロールの増加

 高比重リポたんぱく(HDL)に含まれるHDLコレステロールを増やすことによって、動脈壁などに取り込まれたLDLコレステロールを引きはがし、肝臓へ戻します。

●高血糖の改善

 血糖値が高くなると糖尿病予備軍ともいわれ、何らかの対策が必要ですが、肥満対策も兼ねて運動が効果的です。運動はインスリン感受性の改善を促します。

●高尿酸の改善

 尿酸が多く作られ過ぎたり、腎臓からの排泄が少な過ぎたりすると、血中の尿酸値が高くなります。高尿酸の改善は第一に食生活におけるエネルギー制限ですが、併せて運動をすることで尿酸値を下げることが期待できます。

●自律神経系調節機能の向上

 ウォーキングやジョギングを続けるとβエンドルフィンという脳内物質が分泌されることが知られていますが、この物質は別名快感ホルモンとも呼ばれ、ストレスの解消に役立ちます。また運動すると精神が充実し、自律神経調節機能がよくなります。

●休養の重要性

 運動と並んで大切なことは休養です。特に高齢になればなるほど、過剰な運動は危険です。真面目で几帳面な人は自分の体調を省みず、頑張り過ぎる傾向があります。無理せず、長続きするように心がけ、運動の後の休養も十分とりましょう。

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