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運動の効果―エアロビクスとアネロビクス

有酸素運動と無酸素運動の違いを知ろう

 エアロビクスというと、ビート音楽に乗せてダンスのような体操をするシェイプアップ体操を連想する人が多いかもしれませんが、もともとは「酸素がある」という意味のエアロビック(aerobic)という言葉から派生したもので、有酸素運動の意味です。

 一方、アネロビクスはあまり一般には使われない言葉ですが、無酸素運動と訳され、酸素を使わないで行なわれる運動のことをいいます。

 両者の違いはどこにあるかというと、その名のとおり「酸素を利用する筋肉の収縮」と「酸素を利用しない筋肉の収縮」のどちらを使う運動かということになります。

アネロビクス(無酸素運動)

 酸素を使わないで運動を行なうアネロビクスは、100m競争や砲丸投げ、重量挙げなどのスポーツのことで、短時間に筋肉の収縮が行なわれます。その際、筋肉中に貯えられているグリコーゲンがエネルギー源として利用されますが、酸素を使わないため、たちまち疲労物質である乳酸がたまってしまいます。

 乳酸を取り除くには酸素が必要で、そのため激しい運動の直後では呼吸が荒くなるのです。無酸素運動を続けられる時間はせいぜい40秒程度とされています。

 アネロビクスの目的は筋力を強化し、瞬発力と筋持久力の向上を図ることです。一般に運動能力が高いといわれる人は、筋力の中でもとりわけ瞬発力があるというイメージが強いようです。もちろん運動能力にはそのほかに持久力、敏しょう性、柔軟性、平衡感覚、調整能力などの要素がありますが、スポーツにおいては、瞬発力は最も重要な要素でしょう。

 生活習慣病の予防の観点からアネロビクスを見ると、筋持久力をつけることによって、正しい姿勢を保つことができるようになり、同じ運動や作業をしても疲労が遅くなるなどの効果があります。また、腹筋や背筋の強化は腰痛の予防にもなります。さらに基礎代謝の向上にもつながり、肥満防止に役立ちます。

 中年からのアネロビクスでは無理は禁物です。激しいスポーツをしなくとも、腕立て伏せやヨガ、ダンベル体操など、年齢や体力に応じた方法があります。自分で考えるほど肉体年齢は若くないことが多いので、トレーニングをする際はトレーニングセンターのインストラクターのアドバイスを受けるなど、慎重に行ないましょう。

エアロビクス(有酸素運動)

 現代人の衰えた体力を取り戻すためには、前述のアネロビクスよりも酸素を取り込みながらゆっくりと行なえるエアロビクスが効果的です。

 典型的なエアロビクスとしては、ジョギング、ウォーキング、サイクリング、トレッキング(リクリエーションを目的とした山歩き)、水泳(ゆっくり泳ぐ)、ゴルフ、テニス、それにエアロビクスダンスなどがあります。

 かつてはジョギングが健康によいとされ、ブームになりましたが、ジョギング中の死亡事故が相次ぎ、やがて速歩きをすれば、ジョギングと変わらない運動強度になることから、ウォーキングが推奨されるようになりました。

 近年はゆっくり歩いても効果があるということが提起され、運動強度よりも運動時間を重視することが提唱されています。

 エアロビクスは、長い時間をかけて心臓や肺を働かせるので、多くの酸素を取り込んで利用する能力を高める効果が期待できます。そのため全身持久力を向上させるのがエアロビクスの最大の効果となります。

 また、毛細血管網が発達するので、高血圧の予防や改善がなされます。さらに、糖代謝脂肪代謝もよくなり、糖尿病の予防、体脂肪率の低下、肥満の予防、ひいては動脈硬化、虚血性心疾患の予防につながります。エアロビクスこそは、食生活の改善と並んで生活習慣病対策の柱となるべきものです。

 エアロビクスのよい点は、日常生活の延長で運動ができる点です。たとえば、通勤・通学などで歩いたり自転車に乗ったりするのも立派な運動です。階段の上り下りは軽いジョギングやエアロビクス(ダンス)並みの運動強度になります。子供と遊ぶのも速歩やゴルフと同程度の運動です。

 エアロビクスは時間をかけることと、継続して行なうことが大切ですから、日常生活における運動(生活活動)の中に多く採り入れることが、成功のカギとなるでしょう。

運動をする上での注意点

 生活習慣病の予防を目的とした運動で大切なことは、全身を使う運動をすることと、時間をかけてゆっくり行なうことです。長続きさせるためには、決して無理をしないこと、そして運動自体を楽しむことです。

 その意味で運動は栄養素を摂取するのに似ています。楽しく食べれば消化がよくなりますし、栄養のある食品だからといって食いだめはできません。毎日こつこつと体を動かすこと、偏らずさまざまな運動をすること。運動が習慣になることです。

 また、過ぎたるは及ばざるが如し。過食が禁物なのと同様に、運動もやり過ぎは危険です。運動をやり過ぎると、次のような異常が運動中あるいは運動後に起こることがあります。異常を感じたときにはすぐに中止してください。

 ・呼吸が苦しくなる  ・胸に痛みを感じる   ・頭がぼんやりする
 ・吐き気がする    ・脈拍が不規則になる  ・脈拍が少なくなる
 ・足が痛くなる    ・顔が青白くなる    ・唇や爪が紫になる

 メディカルチェックの結果、血圧、心電図、血液・尿検査などで異常が発見された方は、運動を始める前に循環器系の病院で運動負荷試験を受けてください。いわゆる未病の方は潜在的にはすでに病気と考え、医師や健康運動指導士などの指示に従うことが肝要です。

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