生活習慣病の原因と予防法
乱れた食生活生活習慣病と原因五大栄養素と機能性成分食生活の見直し運動と禁煙の効果ストレスが起す病気体に良い食べ物

食事の見直し@ 栄養バランスのとり方

和食中心の献立の立て方

日本の伝統食の問題点

 日本の伝統食は主食のご飯に味噌汁がつくのが基本でした。主菜としては塩鮭や干物などの焼き魚、味付けの濃い煮魚などが多く、それに副菜として味の濃いイモ類や根菜類の煮物が少量添えられ、さらに副々菜として漬物や佃煮、イカの塩辛などのしょっぱいものがつくというのが、日本の伝統食のの標準的な献立です。

 あとで述べるように、献立の基本は「一汁三菜」ですから、形のうえでは理にかなっているように見えます。しかし、バランスの悪さはすぐにわかりますね。

 まず、この献立では総エネルギーをご飯中心にとることになり、栄養素が糖質に偏ります。
 味のないご飯をたくさん食べるために、塩分の濃いおかずを多く摂っているのも問題です。

 また、たんぱく質が魚からだけになり、不足気味です。葉ものの野菜は味噌汁と漬物からしかとっていません。全体に食材の種類が少ないことも気になります。必須といわれるビタミン、ミネラル類がカバーできるとは思えません。

 しかし、これは日本の伝統食の悪い例を示したまでで、先に示した問題点を改善した献立を考えれば、逆に生活習慣病予防のための食事ができあがります。

日本の伝統食の改善で理想の予防策に

 伝統的な日本の食事の悪い例を改善すると、理想の生活習慣病予防策になることを示しましょう。次はその一例です。

主菜は保存のために塩漬けにした魚は避け、照り焼きやムニエルなどの調理法にして、付け合せに香味野菜や大根おろしなどを添えます。野菜のあんかけなどもよいでしょう。

副菜と副々菜は、ほうれん草や小松菜のおひたしまたは煮びたし、大豆とひじきの煮物、切干大根の煮物、酢の物など、大豆製品、野菜、海藻などを組み合わせたものにします。

・また、味噌汁は具だくさんにします。ときにはけんちん汁もよいでしょう。

デザートに果物をつけて整えます。

 これなら塩分をとり過ぎることもなく、バランスよく必要な栄養素がとれるでしょう。脂質も少なく、ご飯を控えめにすればエネルギー過剰にもなりません。食事の洋風化が進む昨今ですが、日本の伝統食は献立次第では理想的な食事になります。

一汁三菜

 バランスの取れた献立を考えるうえで「一汁三菜」の考え方は便利です。献立の出発点は主食と主菜を決めることです。和食か、洋食か、中華か、基本を決めたうえで次に「一汁」を決め、「副菜」「副々菜」と付け足していくと決めやすいでしょう。

 蛇足ながら、和・洋・中は統一する必要はありません。味が調和すると思えばどんな組み合わせでも試してみるほうが、献立に広がりができます。最近は外食でも、無国籍風の創作料理を出す店も増えてきました。試してみてはいかがでしょう。

 献立作りでは、味のバランスを楽しむとともに、食材の多様性とバランスも楽しむことが大切です。
 なお、一汁三菜はご飯を中心とした和食の考え方ですから、主食と主菜がいっしょになったカレーライスやパスタ料理、ちらし寿司、あるいは一皿で多種類の食材を使う八宝菜などの場合は、柔軟に考えてください。 

不足しがちな栄養素

野菜不足への対策

 現代日本人の食生活スタイルの変化は、若い人を中心に野菜不足を招いています。大きな原因としては食事の洋風化がありますが、そのほかに外食・ファストフードの利用や、弁当・惣菜などの中食の利用が増加したことなども挙げられます。

 家で料理を作って食事をする場合は、彩り豊かなさまざまな野菜を取りそろえるようにするとよいでしょう。緑、黄緑、黄色、赤、白、茶、紫など色が違えば、味や食感も違い、含まれる栄養価もさまざまです。

 同じβカロテンを多く含む緑黄野菜でも、ビタミンCを多く含むものと含まないものがあり、含まれるミネラルの種類もさまざまです。いちいちどんなビタミンやミネラルが含まれているかをチェックしなくても、色彩が豊富なら各栄養素がバランスよくとれるものです。

 調理法で気をつけなければならないのは、水溶性のビタミンを多く含む野菜は洗い過ぎないこと、また熱で壊れてしまうので加熱は短時間にすることです。また、脂溶性ビタミンを多く含む野菜は油といっしょに摂ると吸収率がアップします。

吸収されにくいカルシウム

 カルシウムは吸収されにくく、不足しがちな栄養素です。食品の中では牛乳がいちばん吸収しやすいといわれていますが、それでも理想的な状態で60%程度、カルシウムが多い小魚は30%、野菜は20%程度の吸収率といわれています。

 カルシウムは、ビタミンDが不足すると吸収されにくくなるのは常識ですが、吸収されてもそれが骨に利用されるとは限りません。骨の中に入るカルシウムの量を、マグネシウムが調節しているのです。そのためマグネシウムも併せてとる必要があります。

 カルシウムの吸収をよくするためには運動も大切です。適度な運動で骨に力が加わると、骨を丈夫にしようとしてカルシウムの吸収率が上がるのです。逆に寝たきりになると骨はどんどんもろくなっていきます。

 そのほか若い女性には鉄分が不足している人が多いので、意識してとりましょう。

外食の多い人は

 外食は栄養バランスが悪いので、できるだけ1日1回に抑えましょう。

 中華定食は食材の面ではバランスが取れていますが、油っぽいのが難点です。その点、和定食は主食、主菜、副菜、味噌汁とバランスが取れているのでお勧めです。ただし外食は全般にエネルギーが高すぎるので、ご飯を少なめにしてもらうなど工夫をしましょう。

 弁当の場合もやはり緑の野菜が不足しがちなので、サラダまたはおひたしなどを別につけるようにします。肉類が多過ぎる弁当は避けるか、2人で分け合うようにするとよいでしょう。

 なお、ラーメン、ざるそば、スパゲッティ・ミートソース、カツ丼、チャーハンなどの単品はいうまでもなく栄養バランスが悪いので、昼間食べるときは朝夕の食事で不足分の栄養素を補う必要があるでしょう。1日の中でつじつまを合わせればいいのです。

食生活のマイ・スローガンを作ろう

 体によい食品の機能をいろいろ知ると、かえって迷ってしまうかもしれません。しかし再三述べているように、大切なことは個々の食品の効果効能ではなく、全体のバランスです。長年の習慣である食生活を変えるのはそう簡単なことではありませんが、シンプルに考えてみましょう。

 たとえば肉食に偏った肥満気味の人なら次のようなスローガンを掲げます。スローガンは3つか4つがよいでしょう。それ以上は作っても忘れてしまいます。

肉食に偏った肥満気味の人の場合

 @6つの食品群からバランスよく摂ろう
 A少なくとも3日に1回は魚料理を食べよう
 B肉類は量を減らして野菜といっしょに食べよう
 C腹八分目の食事に慣れよう

 上の4つに限らず、自分に合った食事のスローガンを作ってみてください。


   TOP   HOME