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禁煙のススメ@ 改めてたばこの害を知る

 「禁煙のススメ」は次のページで構成されています。
 @改めてたばこの害を知る(本ページ)
 A喫煙派の言い分とニコチン依存症
 Bたばこをやめるコツ

改めてたばこの害を知る

 喫煙が健康によくないことはだれでも知っています。ヘビースモーカーでさえ、たばこが悪いことを承知の上で吸っているばかりか、副流煙の怖さもある程度はわかっているようです。それでもやめる気がない方は、本当の怖さについて認識しているか疑問の点もあります。ここで改めてたばこの害を整理しておきましょう。

細胞内ではダイオキシン並みのたばこの毒

 ダイオキシンが体内に入ると、細胞にある受容体に結びついて細胞を活性させ、毒を発揮します。そこで国は、健康に影響しない1日のダイオキシンの摂取量を、体重1kg当たり4pg(ピコグラム=1兆分の1グラム)と定めています。

 ところが、山梨大医学工学総合研究部のマウスによる研究によれば、たばこの1本分の煙によって、国の基準の164〜656倍のダイオキシンが受容体に結びついた状態に当たる活性が見られたといいます。もちろん、すべての煙を体内に取りこむわけではありませんが、まさにダイオキシンに匹敵する毒をたばこによって摂取しているといえるわけで、特に妊婦はたばこの煙を避けたほうがよいでしょう。

喫煙者の死亡率は男1.6倍、女1.9倍

 厚生労働省が行なった多目的コホート研究によると、喫煙者の死亡率は非喫煙者とくらべて、男性が1.6倍、女性は1.9倍だそうです。

 この調査は、1990年に40〜50歳の男女4万人のアンケート調査を行い、その後10年間の追跡調査を行なうという大掛かりなもので、さまざまな生活習慣と生活習慣病の関係を明らかにする目的で実施されたものです。

 病気別にたばこを吸う人の死亡率を見ていくと、まずがんは男性1.6倍、女性1.8倍、循環器疾患(心臓病、脳卒中など)が男性1.4倍、女性2.7倍、またその他の死因が男性1.6倍、女性1.4倍という結果になっています。

 また、1日に吸うたばこの本数別では、やはり「20本未満」「20〜29本」「30本以上」と本数が多くなるほど死亡率が高くなっています。中でもがん死亡率においてその傾向が顕著です。

 この調査結果は、しっかりとした統計学的手法に基づく最新のものですから、これによりたばこの健康への害は揺るぎのない事実となったといえるでしょう。

肺がんだけではないたばこの影響

 たばこは煙を吸い込みますから、肺がんが最も影響が大きいと考えられがちですが、実は喉頭がんのほうが死亡率は高く、男性では非喫煙者の32.5倍、女性は3.29倍で、肺がんの男4.45倍、女2.34倍をはるかに上回っています。

 2位の肺がんについで喫煙の影響の大きいのが、男性は咽頭がん、口腔がん、食道がん、膀胱がんの順、女性では膀胱がん、甲状腺がん、食道がん、肝臓がんの順で、以上は非喫煙者の3.29倍〜1.63倍のリスクとなっています。

 膀胱や肝臓など、たばこの煙とあまり関係のないと思われる部位でも、喫煙はがんの発病に大きくかかわっているのです。

副流煙のほうがはるかに多いたばこの発がん物質

 煙草は、喫煙者本人が吸う主流煙よりも、タバコの点火部から立ち昇る副流煙のほうが有害物質が多いということがよく言われます。実際はどうでしょうか? 次に紙巻たばこの煙に含まれる主な発がん物質と、主流煙に含まれる量に対する副流煙の量の倍率を示したものを見ていただきましょう。

  ・ベンゾ(a)ピレン          3.4倍
  ・ジメチルニトロソアミン     19〜129倍
  ・メチルエチルニトロソアミン  5〜25倍
  ・N-ニトロソノルニコチン     2〜56倍
  ・ニトロソピロリジン        5倍
  ・キノリン               10倍
  ・メチルキノリン類        11倍
  ・0-トルイジン           19倍

 現在、たばこのタール中に含まれる発がん物質からは、以上を含めて40種類以上の発がん物質が見つかっています。

 また、直接の発がん物質ではないその他の有害物質(ニコチン、アンモニア、一酸化炭素、窒素化合物、フェノール類など)も、副流煙のほうが数倍の量を含んでいます。たばこを吸っている本人よりも近くで副流煙を浴びる人のほうが、より多くの発がん物質を吸いこむ可能性が高いことがこれでおわかりでしょう。

動脈硬化から心筋梗塞や脳梗塞のリスクが増大 

 たばこの煙には大量の一酸化炭素が含まれているため、喫煙者の血管は動脈硬化が進行しています。たばこにより、身体各部分の動脈硬化を原因とする狭心症、心筋梗塞、脳梗塞、突発性脱疽などの疾患にかかるリスクは確実に高まります。

 ちなみに、一酸化炭素は主流煙よりも副流煙のほうが4.7倍多く含まれています。

慢性気管支炎や肺気腫の原因にも

 たばこの煙にはアンモニアやアルデヒドが含まれています。これらの物質は器官や肺を刺激して、せきやたんの原因となります。これらの症状が慢性化すると、慢性気管支炎や肺気腫などを引き起こすことがあります。

 なお、たばこ中のアンモニアは副流煙に、主流煙の何と46倍も多く含まれています。

50代、60代でも遅くない禁煙―肺がんのリスク大幅減少

 厚生労働省の研究班の推計結果によると、禁煙は早いほうがいいが、遅くても効果があるとのことです。「いまさら禁煙しても遅いよ」とあきらめて(あるいは居直って?)たばこを吸い続けるのは「最悪の選択」だそうです。

 気になる研究結果ですが、1983年から2003年までに実施された10万人規模の疫学調査で、50代になってからでも禁煙効果があることが判明しました。結論だけ述べると、50代で禁煙した人はそのまま吸い続けた人に比べて、肺がんの死亡率は60代で43%、70代で56%、80代で64%も減るということです。さらに60代をになってから禁煙をした人でも、それぞれ19%、40%、57%減るという推計結果で、禁煙するのに「もう遅い」ということはないという結論が得られました。

 また、肺がんの死亡率は禁煙の年数が増えるほど減るということもはっきりしています。一度禁煙に成功したら、生涯それを続けることが大切であることは言うまでもありません。

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