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βカロテンとリコペンの効果

にんじんやトマトが「体に良い理由」を説明できますか?

 
 にんじんに代表される緑黄野菜はビタミンが豊富で、特に体内でビタミンAになるβカロテンが多いことは、今や多くの人に知られています。また、近年はトマトに含まれているリコペンが「体に良い」ということで、これも健康に興味のある方にはよく知られるようになりました。

 しかし、「なぜ、にんじんやトマトは体に良いの?」と子供に聞かれたら、きちんと説明できる方は少ないのではないでしょうか? ここでは分かっているようでよく知らない、βカロテンやリコペンについての基礎知識を解説していきたいと思います。

カロテノイド、カロテン、βカロテン、リコペン…どう違うの?

 まずは、カロテンをめぐる紛らわしい名称について整理しておきましょう。カロテノイド、カロテン、βカロテン、リコペンの中で、いちばん大きな括りになるのがカロテノイド (carotenoid) です。天然に存在する色素で、以前はカロチノイド(ドイツ語)と呼ばれていましたが、今は英語で呼ばれることが多くなりました。カロチンがカロテンに変わり、リコピンがリコペンに変わったのも同じ事情によります。余談ですが、カロテンの名称はキャロット(にんじん)に由来するそうです。

 カロテノイドは、炭素と水素のみでできているカロテン類と、それ以外のキサントフィル類に分けられます。カロテン類にはβカロテンやリコペンなどがあり、キサントフィル類には、最近注目されているルテインやアスタキサンチンなどがあります。

βカロテンの働き、効果


 βカロテンは脂溶性のプロビタミンで、体内に吸収された後は必要な量だけビタミンAに変わり、残りは肝臓に蓄積されます。ビタミンAの主な働きや効果は次のとおりです。

・夜盲症や視力の低下を防ぐ。
・胃腸や気管支などの粘膜を正常に保ち、また皮膚の状態を整える。
・成長を促進し、強い骨、髪、歯を作る。
・活性酸素を抑え、また免疫に関与し、がんの予防などに役立つ。
・風邪などの呼吸器の感染に対する抵抗力をつける。

 以上をひとまとめにいうと、「ビタミンAは、目や粘膜、皮膚、骨、歯の健康に不可欠であるばかりでなく、免疫力を強化して病気への抵抗力をつける栄養素」ということになります。

 また、ビタミンAに変換されないままのβカロテンにも強い抗酸化作用があります。ビタミンAを多く含む食品にはウナギや肝油など高カロリー食品が多いので、緑黄野菜からβカロテンをとるほうが健康的といえます。なお、ビタミンAの過剰摂取には有毒性の心配がありますが、βカロテンにはその心配がありませんから、その点でも緑黄野菜をたくさん食べることはおすすめです。

βカロテンを多く含む食材


 よく食卓に上る緑黄野菜100グラム当たりの含有量を示します。 (五訂日本食品標準成分表より)

・しそ 11000㎍    ・モロヘイア 10000㎍   ・ にんじん 8200㎍
・パセリ 7400㎍    ・春菊 4500㎍      ・ほうれんそう 4200㎍
・かぼちゃ(西洋) 4000㎍   ・にら 3500㎍    ・小松菜 3100㎍

 注;1㎍(マイクログラム)=1/1000mg  ※注2;一日の所要量は1800㎍

リコペンの働き、効果

 リコペンはトマトに多く含まれているカロテンの一種ですが、前立腺がんや心疾患への予防効果があることでにわかに注目され、一般に知られるようになりました。また、糖尿病動脈硬化の予防・改善作用にもその効果が期待されています。昔から西洋では、「トマトを食べると医者が青くなる」というようなことわざがあり、トマトの病気予防効果のメカニズムが徐々に解き明かされつつあるといってよいでしょう。

 リコペンは、同じカロテンの仲間であるβカロテンと同様に、体内でビタミンAになりますから、その働きも上に示した内容と同じです。

 リコペンが、ニンジンやホウレンソウなどのβカロテンよりも有利なのは、トマトが食べやすいことや重量的にたくさん食べられることです。また、トマトを直接料理するだけでなく、野菜ジューストマトケチャップ、トマトピューレ、トマトソース、ピザ用ソース、パスタ用ソースなどの加工品によって、日常的に摂取できる点も見逃せません。実際、トマトは世界中で一番消費されている野菜なのです。

 なお、トマトにはリコペンの他、ビタミンCも多く含まれます。また、ビタミンE、カリウム、マグネシウム、鉄、亜鉛なども比較的多く含まれるなど、総合的に栄養価の高い食品です。

リコペンを含むトマト以外の食品

 リコペンといえばトマトというイメージが強いのですが、スイカピンクグレープフルーツアンズなどの赤い部分にも多く含まれています。

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