生活習慣病の原因と予防法
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ストレスと胃腸、肥満、高血圧、心臓病

 西洋医学では長い間、肉体と精神は別のものとして扱われてきました。しかし、ストレスが与える自律神経系や内分泌系、免疫系への影響が明らかになるにつれて、精神と肉体の相互影響作用が強いものであることが知られるようになりました。

 強いストレスが慢性的に続くと、心身にさまざまな影響が現れます。心理面では不眠や不安、焦燥感などに陥り、さらにうつ状態になって、うつ病へと発展することもあります。

 また身体的には頭痛、気管支喘息、便秘、下痢、高血圧、胃・十二指腸潰瘍、皮膚炎などを起こしやすく、さらには糖尿病、狭心症、虚血性心疾患、がんなどの原因となることがあります。ストレスが身体各部の器質的、機能的な障害を引き起こす状態を心身症と呼びます。多くの生活習慣病は心身症でもあるわけです。

 ここではストレスが引き起こす主な生活習慣病を見ていきましょう。

ストレスと胃腸の病気

●機能性胃腸症


 胃がもたれる、むかつく、胸やけがする、胃が痛むなどの症状を伴う、潰瘍のない胃や十二指腸の病気のことです。慢性胃炎、神経性胃炎などといわれるものもこの病気に含まれます。

 多くの患者は原因がストレスであることを自覚しているようです。対症療法としての胃腸薬はもちろんのことですが、必要に応じて安定剤も用いられます。何よりも生活習慣の見直しや、ものの考え方、心構えなどによってストレスを軽減する工夫が必要です。

●胃・十二指腸潰瘍


 この病気は最近、ピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ)が有力な原因のひとつと考えられるようになりましたが、すべての潰瘍の原因とするには無理があり、まだわからないことが多いようです。

 一方、ストレス原因説は昔から経験的に唱えられていました。ストレスは自律神経やホルモンバランスを狂わせ、胃の粘膜の血流を停滞させて、循環不全を引き起こすため、潰瘍ができるというのが、ストレス説の考え方です。

 また、ストレスによってアルコールやたばこをとり過ぎ、間接的に潰瘍の原因になるという考えもあります。

 潰瘍に対する有効な薬はたくさんあるので、早めに治療するとともに、安定剤を使用するとさらに有効な場合があります。薬に頼らないためには、機能性胃腸症と同様に、ストレスを軽減する生活習慣や考え方の見直しが必要です。

●過敏性腸症候群


 1年間に何度か便秘や下痢を繰り返す病気のことで、潰瘍や炎症などの異常のない場合をいいます。腹痛やおなかの不快感が1〜2週続きます。やはりストレスが関係していると考えられていますが、規則正しい食生活と睡眠、休息が大切です。食物繊維を多く含む食品や乳酸菌、オリゴ糖を含む食品などで、腸を整えましょう。

ストレスから過食、肥満=未病に

 過食をする人の多くは、意識しているか否かにかかわらずストレスから食べてしまうようです。ストレスの解消法にはいろいろありますが、それが大食いや甘いデザート類、間食や夜食などに向かうと、たちまち肥満体になってしまいます。

 肥満は高血圧、動脈硬化、高脂血症、高尿酸血症、高血糖症などを招きやすくなりますが、中でも高血糖から糖尿病になるのが怖い病気です。肥満は万病のもとともいえ、何の自覚症状もなくともすでに未病、すなわち半病人と考えられます。食生活の見直しと運動によって肥満状態を解消することが急がれます。

 それとともに過食の原因となっているストレスを自覚し、ストレスの上手な回避を工夫するとともに、ストレスが過食や過度の飲酒に向かわないよう、上手な解消方法を見つけましょう。

●糖尿病


 糖尿病については、ストレスが肥満を招き、血糖値が上がるという、間接的な関係とは別のストレスの関与が見られます。

 ストレスが加わると副腎皮質ホルモンの分泌が盛んになり、コルチゾールという物質が増加します。コルチゾールは肝臓に貯えられているグリコーゲンを血中に促す作用があります。ストレスに対して、血糖値を上げて戦う体勢を作るわけです。ストレスは糖尿病ともかかわりが深いということがいえるでしょう。

ストレスと循環器系

●高血圧


 血圧をふだんからよく測っている人はおわかりのように、そのときの精神状態が血圧の数値を大きく左右します。強いストレスは血圧を高くしますが、それが恒常化すると高血圧が定着してしまいます。特に、動悸がするほどのストレスを受けていますと、高血圧は避けらず、動脈硬化や心疾患の原因となりますから、注意が必要です。

●動脈硬化


 ストレスは血圧だけでなく、心拍数を上げることも一般に知られています。ストレスが加わるとカテコールアミンという物質の分泌量が増え、心拍数の増加、末梢血管の収縮、血小板の凝集作用を促します。心拍数が増加すると、血流の強さや方向が乱れ、血管内皮細胞が傷つきます。これらのことから、ストレスは血流に悪影響を起こし、動脈硬化を引き起こす原因となることがわかってきました。

●虚血性心疾患(狭心症、心筋梗塞)


 慢性的なストレスは高血圧や動脈硬化とも深くかかわり、狭心症や心筋梗塞などの虚血性心疾患を引き起こす率が高くなります。いつも行動的で活発かつ性急に行動する、ある意味では「やり手」のA型タイプは、のんびりとしたB型性格にくらべて、およそ倍くらい虚血性心疾患になりやすいことがわかっています。

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