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コレステロールは心配ない?
 でも飽和脂肪酸が…

 最近、コレステロールの過剰摂取は問題ないということが米国で発表され、これまでの健康対策の常識が一部変わるかもしれません。でも、「肉類中心の食事をしても、動脈硬化は心配ない」といえるでしょうか?

コレステロールの70%は体内で合成される

 これまで、「コレステロールの多い食品を食べ過ぎると動脈硬化を引き起こし、心筋梗塞や脳卒中などの病気になりやすい」ということは常識でした。ところが、アメリカの保険省と農務省の食生活指針諮問委員会が、「過剰摂取の心配をする必要がない」という見解を出したのです(2015年2月)。

 その報告によると、コレステロール摂取量と血中コレステロールの関係を調べたところ、両者の関連性を示す証拠がなかったというのです。そのため、「一日の摂取量300mg以下」という目安もなくなるかも知れません。コレステロールばかり気にしていた人にとっては、拍子抜けするような「新事実」ですね。

 この先、医学の常識がどう変わるかわかりませんが、そもそも日本ではコレステロールに関して突出して騒ぎ過ぎる傾向がありました。コレステロール自体は体に必要なものなのに、悪玉と善玉があるというのもおかしな話ですし、かつてはその善玉も含めて「総コレステロール値が高いと赤信号」とされてきました。今では「悪玉」とされるLDLコレステロールのみが問題にされていますが、これとて重要な役割があるからこそ体内で合成されているのです。これが悪玉なら、過剰摂取すると危険なミネラル類も「悪玉」と呼んでおかしくない理屈になります。

 あまり大きな声で言われない事実ですが、実は体内で必要とされるコレステロールの70%は、肝臓から胆汁に分泌されたものの再吸収で得られるのだそうです。コレステロールは、細胞膜を作る材料になったり、脂肪の消化に必要な胆汁酸や、性ホルモンの原料になったりする重要な物質です。だからこそ体内で生産する必要があるのでしょう。

コレステロールはよいとしても、飽和脂肪酸が体に悪い

 ところで、コレステロールが「動脈硬化の犯人ではない」とされても、「これで、安心してコレステロールの多い動物性の肉類をたらふく食べられる」と喜ぶのは早計のようです。なぜなら、脂肪分の多い肉類やバター中心の食事は肥満を招くからです。しかもその脂肪は、摂り過ぎると体に悪いとされる「飽和脂肪酸」です。飽和脂肪酸はエネルギー源や体を作る成分となりますが、過剰摂取によって中性脂肪が多くなり、血管がもろくなります

 脂肪にはもう一つ、「不飽和脂肪酸」というものがあり、血液をサラサラにする働きがあります。DHAEPAも不飽和脂肪酸の一種で、まぐろ、いわし、さんま、さばなどの魚類に多く含まれていることは、ご存知の方も多いでしょう。このほか、オリーブ油やゴマ油などの植物油にも各種不飽和脂肪酸が多く含まれています。

 つまり、「コレステロールがどうなのか」に関係なく、肉類は控えめにして、魚やオリーブ油、ごま油を使った料理を取り入れることが推奨されるのです。ただし、過ぎたるは及ばざるがごとし。水溶性のビタミン(C・B群)を除けば、その他のビタミンやミネラルなど、特定の成分の過剰摂取には気をつけたほうがよいでしょう。薬でさえ、適切な量でも副作用の出る人がいて、量を誤ると重大な事態を招くことがあるのですから、特定の食品だけを「体に良い」と祭り上げるのは愚の骨頂です。毎日の食事ではバランスが最も大事だということです。


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